2025.07.29
三豊市メタバース部

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関口 京花
Kyoka Sekiguchi
ラーニングデザイナー
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木村 彩乃
Ayano Kimura
事業統括本部長
ラーニングデザイナー
Project Summary プロジェクト詳細
クライアント名:三豊市教育センター
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参加人数
9〜15名
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プロジェクト期間
1年
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開催地
メタバース
「三豊市メタバース部」は、香川県三豊市在住・在学の中高生たちが、学校や学年を超えて“好き”を探究する1年間のオンライン部活動。 メタバースという新しい空間を活用し、普段は出会えない人とつながり、自分の興味関心を深めていく学びの場です。 リアルでは得られない刺激や対話を通じて、自分のビジョンを描く力を育みます。
Project Mission
プロジェクトの
ミッション

自分の興味関心を 世界のネットワークを使い探究し
メタバースの舞台で表現せよ!
The Origin Story of Our Mission ミッション誕生秘話
地方の“できない”を変えたいという声から
三豊市メタバース部は、三豊市教育センターからの依頼をきっかけに生まれました。 教育センター長の小玉さんが抱えていたのは、「人数が少なくて、やりたい部活ができない」という地方ならではの課題。 その解決に向けて、メタバースという空間を活用し新たな学びの形を模索していました。 小玉さんの友人が経済産業省「未来の教室」の担当者であったご縁から、実践経験のある私たちタクトピアにお声がけいただき、プロジェクトが始動。 現場の雰囲気や教育観への共感が、挑戦の背中を押してくれました。
「プロジェクト立ち上げ時の葛藤と混乱」
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木村
このプロジェクトを立ち上げた時は、我々もメタバースっていうものを使ってプログラムをしたのが初めてでした。なので、「メタバースという環境でどんな学びを届けられるのか」「どんなツールが参加者にとって使いやすいのか」というのは始めたときに模索しました。
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関口
本当に、すごく大変でしたよね。
「メタバース」という現実の空間とはまた違った学びの環境で、私たちラーニングデザイナーがどんな学びを届けられるのか。タクトピアとしても初めての試みだったので、届ける学びの内容はもちろんですが、「場づくり」をどう学びと絡めていけるかをたくさん模索しました。
「これでいける!」と思ったツールに年齢制限があったり、説明が全部英語で書かれていたり…。私たちは東京から運営していて、参加者は三豊市からアクセスしているので、あまりに複雑なものだとサポートするのも難しくて。最終的にツールを決めたときは、「ようやくメタバースの環境を見つけられた」という感覚でした。 -

木村
タクトピアが大切にしている「学びの環境づくり」をじっくり深ぼって一緒に考えた、他のプログラムとは少し違ったプログラム設計や準備だったので、きょんちゃん(関口)とたくさん議論しながら準備を進めました。
「教育観・子どもとの向き合い方」
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木村
この活動では、子どもたちが自分の意志で「やりたい」と思える環境作りを大切にしていました。 そして、生徒自身がやりたいと発言した時は、それを実現できるまで私たちが一緒に伴走すること。 たとえそれが自力でできなかったとしても、「周りを巻き込んだらできるかもしれない。」「やりたいことを支えてくれる信頼できる大人がいるかもしれない。」そんな機会になったらいいなと思っていました。
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関口
このプロジェクトは学校みたいなプログラムとは違って、みんなが同じように進めていく必要がないんですね。何をやりたいかも自由だし、何を感じるのも自由。メタバースという空間の特性を活かして、子どもたちが“やりたい”を安心して言えるような雰囲気づくりを、私自身とても意識していました。
「子どもたちの変化・成長」
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木村
このプログラムの参加者って、自ら何かを発言することが苦手な子が多いんですね。何か一つでも発信するにも心理的ハードルが高くて、なかなかコミュニケーションがスムーズに行かないケースもありました。 でも、メタバースの空間を活用することで、最終的には自分たちがやりたいことをやっていくんだ。というような様子に変わっていったんです。そういう変化がこのプロジェクトではすごく見られました。
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関口
私もそう思います。
すごい覚えてるのが、このプログラムの1番最初の回は私の30分ラジオだったんです。どういうことかというと、空間の中で私しか喋っていないということが当たり前で、振り返りとかも一言二言程度しかなかったんです。でも、どんどん参加者が発信する機会が増えてきて、参加者自身から「こういうのやってみたい」とか「こういう係作らない?」とか自発的に発信する子どもたちが増えていました。他にも、振り返りの言葉やコメントをみていると、参加者自身で発信する枠が広がっていって、プログラムの1年目より2年目。プロジェクト序盤より終盤にはどんどんコミュニティが広がっていたのを感じました。
「このプロジェクトで、私たち自身も育てられた」
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木村
私はこのプロジェクトの中ですごくいろんな知識を学べたと感じています。メタバースの参加者って、結構ニッチな領域に対する知識を持っている子が多いんですよ。なので、参加者同士がチャットでクイズを出したり回答したりしてると、私が全然知らないことをみんながめちゃくちゃ知ってたりするんです。私の中では友だちと話す感覚で他のプロジェクトの中高生とは喋ってるんですけど、そういう意味ではこのプロジェクトではたくさん面白いことを教えてくれるので、その点ですごく成長したなと感じています。
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関口
私もそれは思います。私自身も新しく知る知識がたくさんあって、参加者から学ぶことや教わることが本当にたくさんあり、参加者ともイコールな関係でいれるところは他のプログラムと違っていいなと思っています。
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木村
"学びの環境" "安心できる居場所"も大きなテーマだったこのプログラムで、きょんちゃん(関口)が本当に参加者1人1人と対話しようとする様子、参加者のために妥協せずに場作りからコーディネートしている姿は、プログラムを通してきょんちゃんが成長したな、と思って見守っていました。
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関口
そうですね。
この部活動は週に1回、多い時は2回プログラムが行われる時もあり、その分個と向き合う時間がすごく多いんです。だからこそ、個と向き合う時間と全体と向き合うバランスを見る目を養えたのは私自身すごく成長したなと感じました。
「三豊市メタバース部」を通じて
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木村
私たちが大切にしているラーニングデザインの観点から見ても、メタバースの世界には可能性が広がっていると思っています。空間がメタバース上にあるので、空間自体をデザインすることができる。現実世界だと学校の教室や研究所の床の色を一気に変えることは難しいが、メタバースだとそれができちゃう。そういう空間創りも含めてこのプロジェクトは学びになりました。
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関口
三豊市メタバース部では、「興味関心」を起点にそれぞれ生徒が自分の居場所をメタバースに創り上げていく姿に伴走することができる、タクトピアとしても新しい形のラーニングデザインだとと思っています。この部活動に参加した生徒たちが、自分で「居場所」を見つけること、作ることの楽しさを、プログラムを通して感じてくれていたら嬉しいなと思っています。私としても「学びの居場所づくり」について深く考えるきっかけにもなった大切なプログラムなので、これからも楽しみながら部活動を続けていきたいなと思っています。




